福島PTSD(風評被害と事実確認)

投稿者: | 2011年4月16日
以前、根昆布水に凝ったことがある。昆布のトロトロにはフコダインが含まれていてガンの代替療法でフコイダン療法として使われている。日高昆布や色々な昆布を試したが、三陸海岸の根昆布が一番良かった。ただ冬は昆布水は身体が冷えるのでいつもこの三陸の茎わかめを食べていた。

フコダインはガン細胞のアポトージス(自死)のきっかけを作る。この他ガンの血管新生を阻止したり、マクロファージなどの免疫活性を高めガンから身体を守る。学生時代病理学教室でよくガン組織を顕微鏡で見ていたが、ガン自身も粘液多糖体を多く出すため、多くの免疫細胞がそれを目標に攻撃にやってくる。消化管は免疫機能が高いので、根昆布のような粘液多糖体であるフコイダンがやってくると、一気に身体の免疫活性が上がる。その交差免疫でガンをやっつけることが出来るのである。

 風評被害防止と言うことで政治家が被災地の野菜を食べたり、官公庁の食堂で被災地の野菜を多く使ったりしているが、やや疑問が残る。100ベクレル以上でなければ99ベクレル以下なら良いのだろうか。ストロンチュウムやプルトニュウムのベクレルではありませんよね?御用学者の話ではプルトニュウムは重いので遠くには飛ばないという話。黄砂の石は重くないのでしょうか?それらの事実を確認、理解して自分で食べるのは良いのでしょうが、個人が選択できない公共の食堂で無理やり使うというのどうかと思う。被災地を応援するのは理解できる。しかし漁業と農業には、そんなことをはるかに超える補償がいるのである。最近1ヶ月以上経ってやっと被爆地図が出てきた。以前コンパス表現は非現実的と言ったが、被爆地図で判断しないとダメです。風向が大切で、原発から10キロでも食べられる野菜があるし、30キロ以上離れていても汚染された野菜もあるかも知れない。だから、出来れば放射性同位元素別くらいの地図が欲しい。




 上の写真は花崗岩のラジウム放射線を測っているインスペクターという機械である。これを持って福島県で測り回れば1日でマイクロシーベルトによる被爆地図が出来る。しかしテレビでが県内には放射線測定センターが何十カ所もあると聞いた。それならば毎日時々刻々と汚染地図が花粉情報のように出てくるはずである。これが1ヶ月以上も遅れて出てくる理由が分からない。風評被害というまえに、あるいは待機や避難というまえにこれらの事実を先にすぐさまハッキリさせるべきである。曖昧な限り人は慎重になる。先日フカヒレがとても安い値段で売られていた。好きなので沢山買って食べた。後でよく考えたらフカヒレは仙台である。一瞬しまったと思ったが、当然乾燥ひれなので原発事故前のものである。上記の茎わかめもそうである。事故前の物でも売れなくなるこれが風評被害である。こっそり売られるのも気分が悪いが、事故前という事実が分かれば誰もが買うはずである。買いだめさえするだろう。風評被害と言う前に事実確認が絶対必要である。今回の事故では事実が確実に明らかにされていないという不安がついて回っている。

 ガンにも効く三陸の根昆布。しかしやがて放射性ヨードが入り、甲状腺ガンの危険が出てくるかも知れない。便利な包丁が凶器となるかも知れないのである。しかしそういう風にしたのは私達自身である。物質的快楽を求め過ぎ、これ以上大切な物を失いたくない。暗い話なので最後に農園の奇麗な緑の桜を紹介。少しピンクが入っているので好きです。


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熊井 三治 について

経歴 西洋医学、東洋医学、環境医学、自然療法などの多面的医療を展開しています。多くの友達申請有り難うございます。申し訳ありませんが、基本的には知人友人を中心と致しておりますので、宜しくお願い申し上げます。 自己紹介をカスタマイズ 鞍手クリニック 院長 Director 以前の職業: 朝日新聞西部本社の所長・産業医 出身校: 鳥取大学医学部 福岡県立東筑高校に在学していました