なかなか発展しない自然医学(統合医療大学大学院の申請が門前払い)

投稿者: | 2012年7月15日



これは私が15年前に本に書いた統合医療センターの構想。原子力発電の強力なエネルギーが現代医学なら、統合医療は自然エネルギー、すなわち人間の自然治癒力を取り入れた治療法です。しかしこれは、自然医学が長く認められてこなかったように、これからも苦難の道は続くと思われます。統合医療とは統合である限りあらゆる治療概念を超えるものでなくてはなりません。ですからあらゆる面で幅広く相当な知識量と経験が必要とされます。

時期早尚西洋医学と漢方、アロマテラピーなどの「統合医療」の教育を目的とする医師らが、東京都新宿区に来春開校することを申請していましたが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は「不可」の判断を下しました。普通は申請の現地調査などがあるが、書類審査のみで却下、いわゆる前代未聞の門前払いで、いかに統合医療に対する世間の目が厳しいかが分かります。以前もホメオパシーで死亡者が出て学術団体からは「医療から排除」のお達しが出たばかりです。

それでも統合医療は広がる将来そう遠くない日に、一人暮らしの自分が死ぬ時に、救急車が来てくれればよい方と考えなくてはならなくなるでしょう。自宅で倒れても誰も気が付き助けてくれる人もなく、救急病院にも搬送されずパトカーが来て検死になるケースが多くなるでしょう。病院でガン手術を受けても医療費抑制の関係ですぐ退院です。自宅で苦しんでも在宅医療担当の主治医は「どうせまた入院してもすぐ返されるでしょう」と言って麻薬を打つ、そして誰も気づかないうちに死んで医師を呼んでも、さすがの主治医も冷たくなった死体を診て死亡診断書を書くのもまずいと考え「警察に知らせましょう」という話になり、パトカーが来ることになります。最近の話題、印刷インクの洗浄液による胆管がんの話ではないですが、環境汚染が問題になっている上に、それでなくても原発事故により放射性同位元素によるガンも増加し、今後ガン難民がますます増加して来ます。それは私たち団塊の世代が中心となります。ほんとに他人事ではありません。現代医療から見捨てられれば統合医療などの補完・代替医療に助けを求めるのは自然の流れでもあります。しかしそこから統合医療が始められるほど統合医療は甘いものではありません。



統合医療の中心は心身医学すなわち心療内科ということになりますが、図のように心身医学の治療法だけでもこんなに多くあり、その一つを極めるとなれば一生かかることもあります。武道や太極拳、ヨガなどもそう言ってよいでしょう。ですから統合医療も当然チーム医療が基本となり幅広い種々のコメディカルを含めた医療集団の力がいることになります。

統合医療大学を創るならそれば東京ではなく自然の中現代人の自殺やガンその他の多くの病気の基本的な原因は「自然から離れてしまった生活」が原因です。ですから都会のビルの中で統合医療を行うのは基本的に無理があると考えます。また統合医療は自然治癒、自己治癒が基本となりますから、肉体を調整(修行)するところが必要です。その場所は自然をおいてほかにありません。玉川温泉にがん患者が殺到するのも本能的にそう感じているのかもしれません。でもそれだけではほんの一部の治療法を行っているに過ぎません。ガンを統合医療で治すということはどうしても上記の図のような統合医療センターが必要なのです。

どんな進行がんの患者でも生きる希望を持っているあるがん患者が私の前でそう言いました。希望を持っていない患者はいないと言いました。私は心の中で言いました。「その希望をかなえられる最も可能性の高い医者が、今あなたの目の前にいる医者ですよ」と、少し言い過ぎですが。。。やがて彼は西洋医学に身をゆだね進行がんという西洋医学の定石通りに死んでゆきました。患者も統合医療を全く知らない。誰もがホリスティックとホスピスの区別すらついていない。学術団体からは荒唐無稽なEBMのない医学。高い健康食品を売ってガン患者にたかる集団等々。医者も保険の使えない時間のかかる統合医療など経済の成り立たない状況。まだ厚い厚い壁が統合医療を目指す医師と患者の間には存在しています。私とて農園の中に診療所を立てたものの、高齢のため体力的にも金銭的にも農園の整備拡充が難しく、また偶然にも農園内にラドン温泉を発見するも湯治旅館を建てるマンパワーもお金もなく、私も精神的肉体的に疲弊しましたが、これ以上は家内にも苦労は掛けられません。まだ一章も書いていませんが、このブログの「誰も書けない統合医療のスーパーテクニック」が私の遺書みたいなものになるかもしれません。しかしもしそれを私が書きだしたらURLをお気に入りへの追加することをお勧めします。



カテゴリー: 時事ニュース

熊井 三治 について

経歴 西洋医学、東洋医学、環境医学、自然療法などの多面的医療を展開しています。多くの友達申請有り難うございます。申し訳ありませんが、基本的には知人友人を中心と致しておりますので、宜しくお願い申し上げます。 自己紹介をカスタマイズ 鞍手クリニック 院長 Director 以前の職業: 朝日新聞西部本社の所長・産業医 出身校: 鳥取大学医学部 福岡県立東筑高校に在学していました