統合医療日記」カテゴリーアーカイブ

2015年4月5日

杖と障子とモクレン(春が来て、母の部屋にも、赤い花)


99歳になる赤が好きな母のために、田舎に咲いた赤紫のモクレンの花の枝を折ってきて、先日古唐津焼の黒牟田窯で買ってきた赤紫の銅の還元焼の壷に入れてみた




同じようにいろいろな桜をもぎ取ってきて、もうひとつの壷に入れて玄関に飾りました


姫こぶしの花


スモモの花




スズランの花がまだ咲いていました


先週は第二診察室で診療しましたが、部屋に入ってきた心療内科の患者さんがみな窓からの景色を見て微笑みました


桜も咲きました


玄関に植えたチューリップ





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しかし何といっても春を食べないといけません。早速田舎で取れたワラビとフキと竹の子でご飯と料理。竹の子には脳内伝達物質ドーパミンの材料であるアミノ酸のチロシンが沢山あり、パーキンソンや認知症の予防になります。ちなみにたまたま写っている漢方薬19番小青竜湯は、春に欠かせない鼻アレルギーの特効薬


昨日は雨風が強く桜が大分散りました。春は短いけれども誰にも幸せが届きます。
2015年3月29日

メンタルヘルス講演会 in 嬉野温泉




義理ある人から某国立病院の医師、看護師、事務員に対する職員メンタルヘルス教育講演を頼まれたので佐賀県の嬉野温泉まで出かけました。写真は帰るときに食べた武雄温泉駅にある駅弁当です。


タイトルは今年の12月から50人以上の企業に義務化された従業員のストレスチェックのお話、完全ストレスチェックマニュアルというタイトルの講演会をしました。


久しぶりの講演会午後常勤で行っていた産業医が退職となって、今まで断っていた講演もすることが出来るようになりました。しかしながらどちらかと言うと佐世保に近い遠い嬉野まで行かなくてはなりません。職員が700人以上いるような総合病院なので、心療内科か精神科があるのではないかと思いましたが、なぜか両方ともその病院に有りません。
 自分も昔北九州の医療センターの糖尿病センターに出向したことがありますが、そこには精神科も心療内科もありませんでしたので、各科の先生がメンタルな患者をドンドン私に回してきたので、糖尿病を見るどころか最後は糖尿病の入院患者より心療内科の入院患者のほうが多くなっっていました。
 ところが私が次々に患者を治して行くのでその実績が認められ、糖尿病の勉強が終わって退職した後も副院長から非常勤のポストを市から取ってもらい、心療内科の外来だけ続けました。やがてそれが常勤のポストとなり、今では精神科のリエゾンまで出来ています。そんな30年以上前の医療センターにタイムスリップしたような感じの場所で、久しぶりの講演会となりました。


笑わない聴衆自分の経験からして診療が終わった6時からの講演会。たぶん自分なら寝るでしょう。これはもう面白い講演をするしか有りません。しかしみんな疲れているのか、眠いのか、興味がないのか笑うべきところで笑いません。フロイトやユングの精神構造の難しいところはすっ飛ばして、聴講者にエゴグラムをしてもらい各自の性格分析をしました。代表的な8個の性格パターンを提示し自己分析させたところ、一気に聴衆がにぎやかになり、盛り上がってきてほっとしました。最後の拍手もむしろ通常より大きいような気もしました。



これは小学館新書の「怒らないクスリ」に詳しく書きました。
これは交流分析で使うエゴグラムの交流パターンからの性格分析の色いろ、この辺で静かな聴衆は一気に盛り上がりました

夜の宴会は今夜泊まる大正屋という旅館の近くでありました。皆さん初対面でしたが、お互い医療関係者なので話が弾みあっという間にお開きとなりました。大正屋に泊まるのは初めてでしたから期待していた通り素晴らしい旅館でした。2つ有る内風呂は夜と朝にそれぞれ入りましたが、バスで乗っていく大正屋が持つ秘湯は残念ながら時間がなく行けませんでした。


部屋もこんな感じで静かな感じでした


泊まる部屋からは広い庭園が続き贅沢なつくりになっていました。


至る所に有田焼の焼き物にお花が飾って有りとても風流でした。


早速風呂に入りましたが、広い風呂で窓の外の庭を見ると1メーター下の湯舟に沿った細長い池に、大きな鯉が何匹か雨の降る池の中を悠々と泳いでいました。




お土産はお決まりや湯豆腐と嬉野の棚田米を宅急便で家に送りました。この米は充実してとてもおいしかったです。



朝ごはんを食べると、ゆっくりとする間もなく更なる秘境に行きました。知る人ぞ知る有田焼の源流の黒牟田焼きです。







帰りは雨でしたが、武雄の先の山の中に入っていきました。客足もまったくと言って良いほど有りませんでした。黒牟田は古唐津の源流と言うところで400年前から多くの陶工が生活してきたところです。黒釉薬、緑釉薬、辰砂使いが有名ですが、今では丸田宣政窯1件となってしまっています。








他の客がいないのが幸いとなり、陶主丸田延親さんが雨の中を黒牟田の山に案内してくれました。なんとその山は420年間が捨ててきた陶器の瓦礫の山でした。これはなかなかの見物で今までに見たことがありません。陶芸を少しはかじった自分としては陶工たちの息使いがそこから聞こえてくるようでした。立派な作品の瓦礫です。


取り合えずは、いつも赤がいい赤を見ると健康になると言っている母親の部屋に飾りました。

いい日旅立ち結局講演会の日も窯めぐりの日も雨のふりどうしでしたが、いい出張講演且旅行だったと思います。結局大赤字になってしまいましたが、ちょっと他の窯では見ないものが買えたと満足しています。特に会の決め手になったのは手前のつぼの銅の入った釉薬の還元焼による赤紫の赤です。それと重ね釉と刷毛目技術を使った波のような線がとても素敵です。実はこの小さな壷より後ろの梅干用の土瓶のほうが3倍値段が高いのですが、これも銅の還元焼の赤で(鉄釉の赤とは大違いです)で、民陶の壷にしては誠に贅沢なもので、全国の民陶の中でめったにこんな梅干壷(たぶん作者は梅干壷のつもりではないと思いますが)はありません。早速今年梅が取れたら作ってみたいところです。結局、山を案内までしてくれた延親さんの作品でなく宣政さんの遺作を買ってしまいました。今では幸いお孫さんもやられており、丸田窯は続きそうです。



ちなみに私が20年前に作っていた作品は、良い物は売ったり人にやったりで、もう有りませんが、失敗作は自分でコーヒー入れて、自分で今でも使っています。


2015年1月18日

皆様有難うございました。訃報(愛犬りく死す)




とうとう18歳になる愛犬りくが死んでしまいました


老衰で死ぬとばかり思っていたりくが交通事故で自動車に跳ねられ死ぬとは思ってもいませんでした。写真は若松警察署に弱ったりくを迎えに行った時の姿。この時はまだ生きていました。


急いで動物病院に連れて行きレントゲンと血液検査をしました。肺出血と肝臓破裂と消化管出血がありました。


手術も考えましたが、年齢とあまりにも多臓器からの出血で仕方なくあきらめました。一日入院し点滴と抗生物質を打ちましたが、出血死という状態で本日午前8時に死亡しました。写真は死後の処置中。


意外な最後一昨年が猛暑で、りくは本当に死にそうでした。今年の夏はもうだめだろうと思い東京の息子に連絡しました。正月でも帰らない息子がすぐに帰ってきました。しかし去年の夏は比較的冷夏であり、トリマーの粋な計らいでサマーカットにしてもらい、生き延びることが出来ました。トリマーも「良い毛並で、20歳までは生きる」と保証したので、足が悪いながらまだ生きるかと思っていました。


去年の夏のサマーカット


老老介護犬の18歳といえば、犬の1年は人間の5年ですから90歳になります。しかも野外でずっと飼ってきました。エアコンなく、冬は極寒で夏は37度の炎天下も耐えて生きてきました。温泉水と無農薬の残飯一日1食の小食療法で私なりに統合医療的にやって来ました。時には朝鮮人参などを飲ませたこともありました。しかし野外で飼ったため目が紫外線で白内障になってしまい。それで散歩があまりできなくなり、関節の痛みでさらに衰えてきていました。昨晩鎖が外れて脱出はしたものの目が見えず家に帰ることができず、明け方交通事故に巻き込まれたようです。午前中心配しながら診療していましたが、警察から連絡があり「弱っているから早く引き取りに来てください」と連絡有りました。こちらは足が弱っているのはもともとと思いゆっくりしていました。


4時ごろ行ってみると、なんと交通事故みたいで本当に弱っていて、息も絶え絶えでしたがまだ生きていました。


レントゲン検査では肺に出血、血液検査からは肝臓と消化管から出血有りと考えられました。



もともとこの山から迷い降りてきた山犬の子ですから、親のいた山に帰してやりました。昨年植えたミカンの苗の横に植えました。患者の死後の処置でも決して泣かない看護師をしている次女も涙涙です。東京の息子にも電話で連絡、最初は理解できなかったようでしたが、事情が分かると彼の言葉がとても長い間止まりました。今は一緒に生活していませんが一番こたえたのではないでしょうか。


あるじ無き住まいの姿。私にはこれが一番こたえました。18年間帰ると一番に目にする家の風景。そこにはいつもいた愛犬がいません。私が家に帰っても家族の反応はありませんが、りくが一番大きな声で吠えます。




在りし日のリク


恋人


年長のライバルを失って悲しむ99歳の母。デイサービスから帰ってもりくの姿はありません。

皆様色々可愛がって頂きありがとうございました。お世話になりました。
2014年12月31日

慈悲魔の歌(日本を席巻する史上最強の悪魔)最終章




昨日は午前中仕事でしたので、恒例の餅つきには少しだけしか参加できませんでした。




まずは到着するなりなりおろし餅を頂く、ここの手作りの漬物は有機大根なのでとてもオイシイ、帰りに少し貰う




これが本日の目的の玄米餅の材料でセイロで蒸したところとつきあがったところ、私がつきました。少しだけ。。。


大人しい日本人、今年は慈悲魔に大いにやられた年でした
700億円の不要な選挙、特定秘密保護法案、集団的自衛権、原発再稼働、消費税増税、年金の減額もしくは各種保険の掛け金の値上げ、またTPPや相続税の増税など今後も色々苦しみがやってきます。私が餅つきに来ている農家もだんだん年を取って来たので、いつまで餅つき大会ができるか分かりません。2018年にはいよいよ減反政策の廃止により1反1万6千円出ていた補助がゼロ円になります。また既に米価が一表が16000円から半分になっているので、農家には受難時代と言わざるを得ません。自殺者も出てくると思います。TPPがそれに拍車をかけます。今以上の円安が来れば輸入、内需の比率の高い中小企業は倒れてくるところも多く出てくることでしょう。多くの日本人が不満を抱いているのに、慈悲魔にやられてもの言わぬ日本人。政治不信で選挙に行かないと慈悲魔の思うつぼです。やがて大悪魔が日本を間違った方向に導くでしょう。小沢一郎氏は悪魔のような顔ですが正義の人です。消費税を上げないという公約を最後まで守ろうとしています。菅氏や野田氏は公約違反です。自民党も野党の時は上げないと言っていました。中国と仲良くした田中角栄と小沢氏ははめられて、こともあろうに国民との約束を果たそうとしただけの小沢氏は、4年間も無実の罪で政治的な生命をほぼ断たれてしまいました。この暴挙に本人はもちろん誰も異議を唱えません。

兵糧攻めは日本が最も得意とする戦術だった私の祖先は福岡の添田というところにある岩石城の末裔と聞いています。難攻不落の城でしたが、とうとう秀吉の兵糧攻めにあい滅びました。一族は落ち武者となりそれ以来、先祖らいらい百姓です。「腹が減っては戦は出来ず」というのは全くその通りなのです。輸入に食料を頼ると他国に息の根を止められます。米が7倍と言ってTPPを進める理由にはなりません。ポストハーベストの米食べますか。日本が米を作らず、外米を買わなければならくなったら輸入米価は吊り上げられ七分の一にはなりません。餅つき大会に集まった農家の話では何処も跡を継ぐ者がいないで困っています。いても嫁が来ないと嘆いています。農ガールズというのはマスコミレベルの話です。農家の平均が66歳ですから10年もしたら消滅するかもしれません。エネルギーと食料は極力自給すべきです。




無農薬の米作りはとってもつらい仕事、中でも他の草取りは土壌のように田をはい回り、これをした人は百姓が絶対嫌になります。


テレビで怒りの特集で生出演。隣のキャスターが紹介した「怒らないクスリ(小学館新書)」


中途半端で終わっている私著「怒らないクスリ」とうとう増刷にならず終わってしまった名著ですが、この本の中身でも怒りは健康をとても害するもので怒ってはいけないと言っていますが、抑えてはいけないとも言っています。しかし十分ではなくこの慈悲魔のことがあるので、正しい怒りの出し方については改めてパート2を書くつもりです。本のコメントにもその辺の不満があったようです。怒りをだし会社で怒鳴ったりするとパワハラ委員会にかけられるか降格または左遷。暴力を振るえば犯罪者。怒りを抑圧すればうつ病。怒りを解決せずに感じなくなるまで消し去ってしまえば身体の病気(心身症)がまっています。慈悲魔にマインドコントロールされてしまえば地獄行きとなります。愛と勇気のない善人顔はとても危険です。

身体出てくる怒りもあるセロトニンが下がればイライラ、耐糖能が落ちて低血糖になれば怒りとパニック発作、更年期にエストロゲンが減れば不安と怒り、認知症となり前頭葉が委縮すれば怒りと興奮、ビタミン不足や低カルシュウム血症もイライラが生じます。その他微量元素が消失しても同じです。要するに食べ物が大事ということです。医食同源です。ガンも食事から、アトピーも食事から、認知症も食事と水から、うつも食事から、イライラと憂うつがありますか?それなら是非食事を見直してください。




左が白米の餅、右がビタミンミネラルなどの滋養たっぷりの玄米餅


それでは皆様良い年をお迎え下さい

参照

http://blog.goo.ne.jp/holisticdiarymk/d/20140617

http://blog.goo.ne.jp/holisticdiarymk/e/933b3b2dc7af8717f6cab3d5d031ce3b

http://blog.goo.ne.jp/holisticdiarymk/e/933b3b2dc7af8717f6cab3d5d031ce3b



2014年11月27日

ガンの悪液質と漢方生薬(陳皮の効果)2




昨日ブログ書きを中止して紅葉見学に行きましたが、途中で遠賀ちゃんぽんによりラーメンを食べました。もやしラーメンに女将に無理を言ってきくらげを多く盛らせました。ここは細麺でもやしも緑豆の細もやしです。とても美味しいのですが、肉体労働向きに作られていますので、やや塩からいのが難点かも。。。


家内は細麺ちゃんぽんです。野菜がとてもオイシイがボリュウムがあるので私はラーメン。ところがゆっくり食べていたためか、それで遅くなり紅葉を見に行くには時間が足りません。結局田舎に行き熊井農園のの紅葉で我慢することにしました。







































少し時期が過ぎていましたが、まあまあ綺麗でしたのでアップしました。冬桜が咲いていますので、探してください。ブルーベリーやハゼの木も紅葉していました。柚子が沢山なっていました。遠くに北九州の帆柱山が筑豊の福知山見えます。


陳皮の効果さて先日は蘇葉の効果ということになっていましたが、それは次回において本日は陳皮の効果のお話をしたいと思います。陳皮とはみかんの皮のことですが、末期がん患者の食欲を増進させるグリシンに対してデュアルアクションの効果増強作用があります。すなわち先日述べた六君子湯に陳皮が多く含まれているのです。私は何年も前から狂ったように柑橘系の苗を植え続けました。ミカンの皮にはビタミンPが含まれていて、これとビタミCを取るとビタミンCの抗酸化力が増します。むろんビタミンPもフラボノイド系のポリフェノールですからそれ自身に発がん抑制や血圧低下、毛細血管の補強など様々な効果があります。しかしみかんの皮には農薬がついているので、患者さんが皮のまま摂取するのは難があるので自分で作っているのです。







無農薬なのでいつもカミキリムシやミミズを食べに来たモグラやイノシシに苗を倒されます。植えては枯らす賽の河原状態です


ガンとビタミンCガンのビタミンC大量療法というのは有名ですが、病院で点滴し自由診療でお金と手間がいるので実際的ではありません。ミカンにはビタミンCとビタミンPが大量に含まれているので無農薬のミカンをバンバン食べるほうが現実的です。親戚で認知症もなく元気で106歳まで生きた女性がいました。晩柑を中心にいつもみかんばかり食べていたそうです。もちろん温州は袋のまま飲み込んでいたそうです。大昔の人類はビタミンCを自分で作っていたそうです。しかし今やそれが出来なくなった人間は油断して活性酸素が多く人体に入って来た時にビタミンCが不足していれば、大いに発がんの危険があります。特にタバコを吸っている人はビタミンCが欠かせません。

陳皮とグリシンと枳実六君子湯は進行がんのグリシンの低下による食欲不振に効果がありますが、ダイダイの未熟な実をを干して作る枳実という生薬も胃腸の機能を高めます。私が時々便秘時に飲む麻子仁丸にも枳実が入っています。いずれにせよこれらの柑橘系は胃腸の機能を高めガンにおける食欲低下を防ぎ悪液質になるのを防いでくれると考えます。


結局、帰りにはミカンと柚子と柿を少々取って帰りました。


2014年11月24日

ガンの悪液質と漢方生薬(蘇葉の効果)1


昨日、日本東洋医学会の九州支部会で大分に来ました。いい天気で会場からは大分湾がきれいでした。


看板はマイナーな感じですが、会場である大分県医師会館の中は立派でした。


専門医貧乏2か月ぶりのブログ更新で皆さんには死んだかと思われている人もいるかもしれません。しかしながら今年は精神神経医学会と東洋医学会の専門医更新年で、更新条件の精神科600点、漢方専門医100点の点数取りに東奔西走しておりました。メインの産業医を退職してからも、安価な仕事の原稿書きに追われたり、6つに渡る学会出席や専門医の更新。肩書作りにお金と時間ばかりかかり無駄な時間が過ぎて、ブログもFBも停滞していました。先週は大分と佐賀に行きましたが紅葉も観ずに帰りました。サンフラワー号を見ただけです。


昨日ランチョンセミナー乾先生のテーマです。とっても役に立ちました


末期ガンの悪液質と漢方統合医療でもガン患者さんがカヘキシー(悪液質)になったら助ける治療が困難になってきます。それこそ麻薬などの鎮痛剤でQOLをアップすることしか作業が無くなりホスピスで死を待つばかりとなってしまいます。まるでガンが毒を出しているような感じで、食欲がなくなり気分は憂うつで、体はきつく筋肉はやせ細り脂肪は溶け、目だけが輝く、そういった様相となります。しかしそういった状態でも漢方が役に立ちます。

ガンの三大漢方薬ガン患者さんに投与する漢方は通常は証を取っての漢方治療というより病状で漢方を処方する医師が多いかと思います。体がきつく憂うつが強いなら補気剤の補中益気湯。肺がんなどの呼吸器系のガンと食思不振なら人参養栄湯。抗がん剤の血球減少などの副作用強く気力が落ちた患者には十全大補湯を使います。転移が起こるとそれこそ悪液質の玄関前になりますので、がん転移防止に十全大補湯を使うことが多くなりました。いずれにせよこれがガンの3大漢方薬です。

悪液質にならないためにはもっと考えた漢方治療が必要です。ハッキリ言ってガン患者さんに六君子湯を使うことも多くなりましたが、昨日の講義は六君子湯の効き目が科学的に証明されたお話しで十分勇気を与えられました。六君子湯は心身症にも良く使う漢方です。胃の幽門部を開き胃の内容物が十二指腸の方に落ちやすくなるので、胃のもたれが無くなります。また逆流性食道炎の患者さんにも良く出します。

グレリンを助けよ!!グレリンは食欲を増価させ胃腸の機能を高める物質です。がん患者さんはこのグレリンの分泌と機能が抑制され食欲が低下しています。その低下の原因がガンが出すサイトカインです。
 カヘキシーすなわち悪液質にならないためにはまず食欲を落とさないことです。食べなければ免疫力が弱り最終的にはガンに負けてしまいます。カロリーが少ないと脂肪や筋肉が解けてさらに悪液質にベクトルが傾きます。
 もう一つの悪液質の原因というか主たる原因ですが、ガンそのものが出すサイトカイン(炎症促進物質)が食欲低下を強く来すということです。家族が食べなきゃダメと思いガン患者さんに必死に食べさせようとしますが、患者さんも食べなくてはと思っていても食欲がでないのです。ちょっと食べただけでお腹が一杯となり食べれないのです。すべてはグレリンの低下のせいなのです。


六君子湯のダブルアクショングレリン増強へのダブルエフェクトというかデュアルアクションというか、六君子湯はグレリン分泌低下と感度アップがありガン患者さんの食欲を増進します。

今から紅葉を見にゆきますので、今日はこれにて失礼します。つづきは明日アップします。
2014年9月21日

皆様、あと一息の増刷にご協力お願い致します(今日感テレビにも生出演)。


朝日新聞朝刊に私の書いたアンガ―コントロールの本「怒らないクスリ(小学館新書)」の書評が載りました。


以前には西日本新聞にも書評が取り上げられました。

厳しい出版業界今出版業界は冬と言うより厳冬期です。総売り上げが2兆7円億円あったのが、今やなんと1兆7千億円です。書店も厳しいのは言うまでもありません。書店に行って感じのいい店員も以前は文学少女だったかもしれませんが、この厳しさに彼女らの将来はどうなるのだろうと余計な心配までしてしまします。
 今回の「怒らないクスリ」は怒りが渦巻く現代社会のまさに救世書なのですが、今一つ読者には伝わりません。一流の出版業界では、他の雑誌で稼いで赤字でも人のためになるような良い本を出すと言っているようですが、両方売れた方が良いに決まっています。今回も一年前小学館の担当者が九州まで来てくれて執筆となったのですが、精神医療界でも話題のアンガ―コントロールに目をつけるとは大したものです。よく勉強されて努力していると思います。
 そういった分けで、昨年皆の期待を込めて出版されました。心療内科の後輩も今までになく分かりやすく読みやすい本と高い評価を受けていますが、一般の人にはまだまだ難しいのか購読者が広がりません。まだ今回の本は、出版社にとっては黒字になっていないので何とか黒にしたいと思っています。インディーズ出版なら自己満足の出版ですので、売れなくても仕方がないと思っていますが、商業出版では校閲でも4、5人関わっているので著者としても責任を感じるところです。


初めての生出演朝日の記事が出て、朝ゆっくりしているとRKB毎日放送の「今日感テレビ」と言う番組のディレクターから電話がかかり、本日の感動テーマとして怒りのコントロールをやりたいので是非午後の番組に出演して下さいという電話がありました。今まで収録や取材はありますが生テレビは修正ができませんので、出たくなかったのですが本の宣伝になるし、担当者から「熊井先生テレビ出演には積極的にお願いします!」言われていましたので、幸い休日だったので思い切って承諾しました。午前中のうちにメールに資料を添付してディレクターに送り、午後12時半から打ち合わせをしました。時間が決まっているのでアドリブなしで道をそれないように注意を受けました。これは保証できないな~~と思いつつ、自分も行きたいという家内をサポーターにしてスタジオに入りました。


スタジオで待っている間の方が緊張しました。


活気があふれ明るいスタジオ化粧中のアナウンサーやキャスターと挨拶を交わした後、1時55分に始まり横で待機していました。その間15分間ニュースが入るのですがその時が一番緊張し、何回も水を飲みました。しかし、後輩からメールが入り「話が長くならない事、素人に分かりやすく簡潔に、笑顔で自信たっぷりに話されれば大成功間違いないでしょう!!」と励まされ、若いきれいな女性のADがマイクをつけてくれる時に服装等をチェックした後「先生!バッチリですよ!!」と言い両方の親指立てニッコリ笑ってくれたので、テンション急上昇で急にやる気が出てきました。のせるのが巧い!!

大成功いよいよ席についた後、後輩の指導のように背筋を伸ばし、少し口角を上げてニッコリとしました。カメラ目線で(4台もあるのでどれに当てればよいか分かりませんでしたが)、自信たっぷりの格好をしました。しかし案外講演をするよりも余裕がありました。というのはリードはキャスター達がするので、私はそれに合わせて話をするのでむしろ余裕が出てきました。打ち合わせ以外のアドリブも出てきて、パワハラ上司が机をたたく演技も私がしたりして、隣のキャスターが大きな音にビックリしていました。結局、1分オーバーの6分間で終わりました。しかし、短いようですが話の内容は多く長く感じるはずです。終わった後で隣のキャスターに「先生初めてとは思えませんよね!」と言われました。









話の内容は「上司の教育的指導かパワハラなのか」ということと夫が退職して家にごゴロゴロするようになって、奥さんの自由が阻害され奥さんの怒りが抑圧され心身症になるという「主人在宅ストレス症候群」の話を中心にしました。


図書館は営業妨害どちらかと言ったら新聞よりテレビの方が反響があったと思います。残念ながら2時15分なので、見ている人が少ないのですが、クリニックにも熊井温泉までにも本の注文がありました。小学館の方に注文も行っているはずですが、アマゾンで沈んでいた売上ランキングが急上昇しました。しかしながら姪の友達で図書館に勤めている子から「図書館に沢山問い合わせが来ている」とのことでした。「700円の本だから買ってください!」と言いたいのですが、不景気になって最近本は図書館に営業妨害されています。何とかしてほしいところです。
 この本は「怒りの辞書」みたいなものです。ある大手の会社のクレイム担当の部長が、「先生の本を読んで仕事が楽しくなりました。今日はどんな顧客の怒りが来るのかと考えると、毎日が楽しい」と言うのです。私の本には赤や青の線が引いてあり付箋がびっしりで本当に辞書みたいに読んでいる感じでした。ハッキリ言ってこの本を3回読んだら4年生大学の心理学科を卒業した以上に実践力が身に着くと思います。中でも交流分析の性格分析テストであるエゴグラムとその性格別解釈が載っており貴重な書です。エゴグラムも日本での創始者杉田先生直々の原典で、臨床で使っているものより高度なものです。これを心療内科・精神科で受けようとすると、今はもっと値上がりしていますが、初診料2700円、通院精神療法3300円、エゴグラム800円かかります。またこの本ほどの指導は受けられません。図書館には行かず、是非700円で買って辞書として下さい。貴方の人生は大成功間違いない。



今、雇用者と被雇用者のトラブルを解決するところの労働局にはここ10年で相談事が急上昇しています。そして最近では雇用問題が1位だったのが、パワハラ相談が1位となっています。


これは「怒らないクスリ(小学館新書)」の巻末にある表です。今そこにある怒りと先々やって来る怒りの対処法22項目からなっています。どんな怒りもこの中に大体当てはまります。この他に、怒りを根本からとる10項目の方法があるのですが、それは表にはできませんでした。

不調者面談はけんかの仲裁昔は企業での不調者面談は認知療法などの精神療法や行動療法でしたが、最近まるで上司と部下のけんかの仲裁みたいになってきました。これは時間もかかりとても大変な作業です。人事労務やメンタル関係者でアンガ―コントロールを知らなければ話しになりません。時には弁護士みたいなことを産業医が言わないと大変なことになることもあります。時代も変わったな~~というのが今の印象で、これからもっとそうなると思います。
 実は、もうこの本のパート2を書いています。「怒らないクスリ」が増刷になり黒字化にならなければ小学館で出すのは無理でしょうがインディーズ出版も考えています。タイトルは「自分の船で生きて行きなさい」です。怒らないクスリでは随分「怒りは抑圧してはいけない」と書いたつもりですが、まだ少し理解して頂けたか心配です。このパート2で怒りというものの正当性と応用編を書きたいと思っています。今後ともよろしく応援お願い致します。


ドキュメンタリー??さて取材が終わり、家に帰ってみると録画ができていませんでした。朝慌てて北九州を出て福岡まで行ったので録画に失敗しました。ディレクターに電話してコピーをもらえませんかと言ったら、番組をコピーして送ってくれました。そのとき電話でデレクターが、番組終了後にスタッフがみんなが集まり、「今日の先生は初めてと思えないくらいに上手に話してた」と言ってましたとのことでした。そしてその時ディレクターが「今度ドキュメンタリーを計画しているのでまた宜しく」とのことでした。私は熊井温泉や統合医療の事も少し話をしたので、それがメンタルヘルスのドキュメンタリーのことか、それとも私が実践してきた統合医療の事か聞きませんでしたが、後者であれば「病人の今と過去を治療し、病気の今と未来を治す」という治療理論を一気に紹介することもできるかも???




2014年8月26日

死者よりも生者に寄り添え(形式宗教その①)




母親の18歳の時の写真があったので、現在の98歳の親に私の丸メガネをかけさせ、同じポーズで写真を撮ってみた


盆明けに心療内科の患者さんが増えました。今年は家内の里が初盆で、家内は13、14、15日と朝から晩まで里帰りで、当然かもしれないが私は食事作りと母親の介護で終わりました。母親はもうすぐ99歳となりますが、お盆に孫や子もその他誰も訪ねてくる事も無く孤独なお盆でした。一方死者のいる里では、大きな祭壇が作られお参りに来た人でも300人近く、お墓参りや精霊流しとまるでお祭り騒ぎです。死んだらみんな集まるが生きていれば誰も来ないというのも変なものです。盆明けには、お盆の準備や行事に疲れ果て、胃腸症状やその他の疲労で受診してくる患者も多くいました。ちなみに親戚も盆疲れで1人入院しました。一体何のための宗教行事なのでしょうか。また生きているときは寄り付かないで死んだらやって来るというのは一体どういうことなのでしょうか。

私のお墓の前で泣かないで下さい。そこに私はいません。という歌がありますが(千の風になって?)、実はその通りで49日が過ぎれば、魂はこの3次元世界から離れて行きます。だから49日でちょっとしたフェアウェルパーティを開くのは分かりますが、7×7の九の算ではあるまいし、初七日ふた七日、三七日・・・の宗教行事をして初盆から一周忌三周忌・・・と言う法事をしても如何なものでしょう。あまり現世の人が故人を思い騒ぐと、死んだ人が気になり成仏できません。

人生が終わるということは夢から醒めたようなものこの世から死んだ人のことを考えると、さぞかし淋しい思いをしているのではないかと思うでしょうが。もともとこの世は現世(うつしよ)で、映画の一幕のようなものなのです。真実の世界(実在界)はあの世にあるので、あの世に帰った者は基本的にはこの世には執着しません。しかしこの世に執着して地縛霊や浮遊霊となっている人も多くいます。そういう人の霊を慰めることは価値があるかもしれませんが、成仏した人には失礼だし、何やかやと名を呼ばれたり、死んでしまった自分の事を思われると気になって迷惑です。一体昨日見た夜の夢を現実のようにいつまでも引きずって生きている人がいるでしょうか。そんなことは忘れて皆、家事に仕事に一生懸命です。それと同じようにあの世に行けばすることが多く、すでに過ぎ去った一夜の夢のような「露とおち 露と消えにし わが身かな 難波のことも 夢のまた夢(豊臣秀吉)」この世のことなどはどうでも良いのです。

三途の川の渡り方以前にも書いたような気がしますが、そういう分けで、人の葬式や法事に行って意味の分からないお経を聞くより、生前は三途の川のわたり方くらいは勉強しておいた方が良いと思います。三途の川は幽界と霊界の境界というか、死後の世界への関門というか色々な意味があると思います。まず死んだら先ほど言ったように夢から醒めたのですから、夢の内容に係らずすべてを諦めなければなりません。財産名誉その他の執着になるもの一切をあきらめなければなりません。「ああとうとう死んじゃった!!仕方ないな~~」といった感じです。三途の川は船で渡る人、泳いで渡る人、泳ぎ切れず途中で沈んでいく人、橋で渡る人、あるいは三途の川は小さくてまた越して渡れる人と様々かもしれません。執着になるものはすべて三途の川に捨てなければ渡りきれないということはあると思います。お高い戒名などはむしろ重荷になりますので、如何なものかと思います。お金の執着に関しては、六文銭くらいの渡し賃くらい有れば良いというほどほど感がベストでしょう。

三途の川の向こう岸ここでは奪衣ばあさんがいて、天国か地獄か決まるとか、エジプトでは心臓の重さと同じでなければ地獄に行くとかありますが、みんなテキトーだと思います。閻魔大王の裁きと言うのがりますが、それも象徴的なものと思います。結局自分を裁くのは自分自身です。自分の人生を浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)で自分の人生を走馬灯のように一気に見せられ、生前の善悪の行いがすべて分かることになり、その判断から自分で地獄や天国に行くことになります。

良心は魂の心臓分かりにくいことですがこう考えれば簡単です。人間には誰もが良心というものを持っており、例外はありません。生きている時はこれが抑圧され悪いことをしてしまいます。この世がすべてとか、私がいつも言う三つのさえ病(自分さえよければお金さえあれば今さえよければ)に侵されている人は良心が委縮しているだけですが、死後は良心が肥大化しますから「とんでもないことをした、ああ恥ずかしい」という思いで一杯になり自ら地獄に落ちていくことになるのです。すなわち己を裁くものは己自身にある良心ということなのです。人間の体にある心臓が衰えると、身体機能が落ち行動範囲が小さくなるように、魂の心臓である良心が小さく機能が無くなれば霊魂は高次元の世界に到達できないのです。すなわち宇宙即我の霊魂に至るには良心そのものの生き方ができないと不可能であるということです。

つづく・・・
2014年7月20日

産業医退職(丘釣りより海釣りりが好き)


これは勤めていた企業外の病院関係の知人からもらった退職記念の花束です。今回唯一の花束です。下さった人に感謝感謝です!


仲の良かった会社のOBが私が将来作家を目指しているのも考えてかパーカーをくれました。


30年間ともなると感慨もひとしおしかし企業を去るにあたっては病院の場合とは比べ孤独なものです。勤務最終日にあたって2時間のサービス残業を終え、最後の書類書きを終えると書類を会社に持っていき少し皮肉を言わせてもらいました。「同じ心療内科の医者仲間でもホテルで何百人の送別会が開かれ花道を通って帰る医者もおれば、私みたいに誰からの挨拶もなく、また見送られる事も無く一人去る医者もいてさまざまです」と言いました。しかしこの状態こそまさに私の花道にふさわしいのだと考えました。何故なら産業医は陰徳という考えが以前からあったからです。

心身医学のメッカでの訓練の成果1977年に色々な内科研修をした後、九大の心療内科に入局しました。当時は池見教授がまだ現役の頃で、実に色々な治療技術がそろっていました。交流分析、自律訓練、ヨガ、精神分析、支持的精神療法、森田療法、薬物療法、心理テスト、OT(作業療法)、箱庭療法等々です。そして心療内科のベットが45ベットあり、面接室が5部屋ありました。これは当時世界一のベット数を持つ病棟でした。そして患者さんは全国からの難治性のベテラン患者ばかりで、主治医としてとても鍛えられました。帰りは夜の12時くらいで、いつも仲間と最後は外科医の入ったドロドロの汚い病院風呂に入り、帰って寝るだけの日々が長く続きました。

 その後市の医療センターの方に出向になりました。研究の関係もありその時は糖尿病センターに行ったのですが、その病院には当然心療内科もなく精神科もありませんでした。そこで各科の医師達が心療内科医の私に困っている難しい自分の患者さんを紹介してきました。こちらも他科にお願いすることも多い関係上断ることもできず。一時は20人いた糖尿病の入院患者さんも半分は心療内科の入院患者さんになってしまいました。ところが、その心療内科の患者さん達がいとも簡単に治ってしまうのです。これは多面的な心身医学の治療技術を学べたことと、難治な患者さんを治すことにより効率よく治す訓練が出来たいたからです。これは私に限った事ではなく当時のメッカで研修した多くの心療内科医の共通認識でもありました。


患者を救うのも効率が大切私は小さいころよく川で魚を釣っていましたが、効率が悪いので川をせき止めて水を無くして魚を一網打尽にして取るのが好きでした。少し手間と時間はかかりますが、収穫は大量です。また離島の公立病院にいるころは病院事務員が船を持っていたため、良く海釣りに行きました。岸から釣るよりは効率が良く短時間でクーラーが一杯になるのはたまりません。岸で魚を釣るよりは魚の多くいる海に行って釣るのが一番成果が大きいのです。このように多くの患者さんを患者さんを効率的に治したいのなら、効率的に治せるところに医師自ら行くしかありません。当時その市は企業城下町と言ってサラリ-マン心身症がとも多かったのです。

思い切って企業に飛び込むそういう分けで産業医になったのですが、診療よりも予防医学が仕事も多く、病気になる前に対応してしまうことがあるので、感謝される事も無く、また本人が助けてもらったことすら分からない事も多くありました。やはり病気は生じる、あるいは悪化する前に治療するというのが一番だということが30年以上の体験でよく理解できました。効率よく多くの人を治すということはすなわち予防医学、漢方で言えば未病を治すということなのです。感謝されない陰徳の行為ですが、医療費削減を含め効果は多面的で絶大です。

ケースコントロール研究とコホート研究少し難しくなるかもしれませんが、研究方法にはケースコントロールスタディ(症例対照研究)とコホート研究とがあります。たとえばガンの人とガンでない人を集めてその中でタバコを吸っている人の割合を調べガンとタバコの関係を調べるのが、ケースコントロールスタディです。これは時間の流れに関係なく即時に分かる統計方法です。これに対してコホート研究というのは、ある集団を限定し10年後ガンになった人とガンにならなかった人でで喫煙率を調べタバコとガンの関係を調べる統計方法です。後者の方がお金と時間と手間がかかりますが、コホート研究の方が信頼性がはるかに有ります。何故かというと、ケースコントロールスタディでは瞬時に結論が出るものの、ガンになった人が色々な集団からの人から集められたものであるために、出だしの条件が異なるからです。すなわちバイアス大きい、発癌の他の要因がいろいろ異なる集団から出てきているため、集団が均一なコホートに比べ信頼性が低いのです。医学研究で福岡県の久山町の長期研究の評価が高いのはその理由です。

思わぬ成果、産業医学と統合医療の共通点臨床ではすでに病気になった人しかきません。ガンであれリュウマチや糖尿病であれ既に厳しい状況の患者さんたちです。しかし医者はその時の診断名で治療をしなければなりません。ガンならば手術、放射線、抗がん剤という三種の神器です。統計学で治療法は決められていますから(根拠に基づいた医療:EBM)、患者によって治療法が異なることはありません。ところが産業医を30年もしていると、決まった集団の正常の人達が病気になっていく姿を多く見ることができます。そしてその予後も人によって大きく異なることも分かります。一般の臨床医にはそれはほとんど分かりません。統合医療では未病が中心となりますが、企業での治療も予防医学が中心となり統合医療の未病と似た所があります。職業人としての40年間の食事、生活習慣、性格、姿勢、気、声が将来の病気とその予後に大きく関係していることが分かりました。これが本当に効率的な治し方なのです。皆さんテレビドラマなのでは医療っぽくてERが人気ですが、私には興味がありません。多少は良い面もありますが、そこまで行ったらあとはあまり変わりません。

ガンもどき理論の功罪ガン患者さんの今しか見ない三種の神器、その闇の虚を見事に突いて出てきたのがガンもどき理論です。三種の神器は過去を治さないし未来も治療方針を変えないので、結局ガンモドキの物は悪くならないが、治らないものは何をしても治らないので何もしない方が良いという分けです。むしろ治療で寿命を縮めるという言い分です。これは後出しジャンケンみたいのもので、未来の結果で他人の現在を述べているようなものであまり信用されない方が良いと思います。人は人自分は自分です。

病人の今と過去を治療して病気の今と未来を治すこれは私が長きにわたって肉体の医学と精神医学と産業医学と自然農法を行った結果得た究極の21世紀治療理論です。まず病気になった人を先に治療する。すなわち病気を育ててしまった誤った身体のあり方をまず治療するということです。そうすれば自然治癒力が復活します。次にその体質状況を考えて病気そのものを治していきます。未来に病気は変化しますが、自然治癒力の協力を得ながら病気そのものに常に焦点を当てて治していきます。時間がありませんので、詳しくはの次回述べることにします。私はあまり著作権を主張しませんが、この文章を転載するときは「病人の今と過去を治療し病気の今と未来を治す(熊井三治)」ということでお願いいたします。


これは私が15年以上前に書いたガンの本です。日本での喫煙率の極端な低下と介護保険で「21世紀に入ればガンで寿命が短くなると言った予言は幸い外れましたが、あとは以上述べた事のヒントが書かれています。興味のある方はお勧めします。ガンモドキの本の千分の一しか売れていませんが、千倍良い本です。




親戚から日本で一番おいしい荒川の桃貰いました。




次女からは59.5センチ(なかなかありません)の帽子貰いました。
禿げ頭・優先席で・帽子とり今日は堅い話になったので最後に面白い話を一つします。今から10年前、まだ55歳なのに乗り合わせた若者が5メーターも離れているのに自分の前の席が空いたからと言って私を呼ぶのです。「コイツ俺を老人と間違えているな」と思い断りましたが、それがショックで帽子をいつもかぶるようになりました。しかし席が空いていない時は年には勝てず最近では積極的に優先席に座ります。ただ毎日霊芝を飲んでいるので肌がとてもきれいで、帽子をかぶっていると20歳は若く見えますので、優先席では帽子を取り年寄りらしく見せます。上記の句はその心理を表したものです。ところが落ちがあって、早速娘からもらった帽子をしてバスに乗って優先席でに座り、帽子をわきに置きました。ところが目的地で降りるところを大きな声で若者に呼び止められました。文句を言われるかと思ったら「帽子、忘れれてますよ!!」と持って来てくれました。これまたショッキングな赤恥体験となりました。娘から大目玉のところでした!「これからは・帽子かぶって・優先席、字余り」で行こうと思います。皆さんこれからはガンではなくて認知症ですよ!気をつけて下さい。
2014年7月3日